【映画感想】湯を沸かすほどの熱い愛は奇想天外○○○映画
※ネタバレをしながら感想と魅力を伝えています。
こんばんは。
「湯を沸かすほどの熱い愛」というビックリ仰天映画をご存知でしょうか。
有名な映画ですが、恥ずかしながら先週やっと見ました。
元々高評価という噂だし、僕が愛してやまないきのこ帝国が主題歌を書き下ろした事もあっていつか見ようと思っていたんですよ。
この歌が非常に良い曲なんですよ。
儚い愛の歌で非常にお気に入り。
この歌がテーマという事に刺激されまくって、やっとこさ、見ました。
そして見終えた結果が、
裏切りと絶句。
期待していた映画から斜め上を行きすぎ。
最近暗い映画ばかり見ていたので、
久しぶりに心を洗おうと思ってあっつ〜い湯を沸かしてまう程の愛を学ぼうと思っていたのに。
そもそもきのこ帝国の愛のゆくえ的な世界観を期待していたのに。
(先に言っておきますが、結果的に僕はこの映画がある意味好きです。)
予告↓
監督は中野量太さん。
それでは感想を述べていきたいと思います。
ー感想ー
まず答えから言うとこの映画はある意味とんでもない期待を裏切るホラー映画ですね。
こちとら予告やあらすじを見て、熱い愛の映画を期待しているわけです。
まぁ馬鹿みたいに熱いんですけど。
冒頭はそこまでおかしくもありません。
「あぁこのように母親が様々な方法で我らに熱い愛を伝授してくれるのか。。」となります。
そう思いきや、
あれ?この母親、ちょっとやばくない?
いくら何でも、いじめられてる娘にこの教育法はヤバくない?
いくら何でも、初対面にそんな口の聞き方する?
いくら何でも、手を出す?
いくら何でも、モノを投げる?
ーーー 傍若無人極まりない。
愛の映画を期待していた僕達でさえも
流石に違和感を見逃せなくなってきます。
と、思いつつ
どこかで違和感を否定してしまいます。
だって、愛の映画だし…。愛のゆくえチョー良い曲だし…。。
そしてラストシーンで衝撃を喰らう。
ブッ飛んでいたのは母親だけじゃなかった。
ここで作品に対する違和感が気のせいじゃないと明確になるんですね。
まともな愛の映画だったらこんなオチにしない。
ホラーじゃん。
ーテーマは愛と○○ー
この違和感と悍ましさをどういう言葉で表現しているのかネットサーフィンをしたところ、
アマゾンのレビューで、宗教という言葉を使っている人がいまして、納得しました。
なるほど。
つまりこの母親は双葉教の教祖なわけです。
そして他の登場人物は紛れもない信者です。
そう考える始めると、
徐々にこの映画に悍ましさを超えたある面白さを見出しました。
この映画は
愛=宗教
という性質を教えてくれている映画なのでは?
よく考えると、この映画の愛の定義って普遍的なような気がしてくるのです。
一般的に僕達が普段他人と交換している愛って、
いわば宗教じみてるところがあるかもしれない。
世の中にはとんでもない事を恋人にする人間がいます。
側から「あり得ない!そんな人!別れちまいな!」と言われようが、
便宜的に頷きながらも心のどこかで否定してしまう。愛しているから。
もうそれって一種の洗脳なんじゃないかって。
有名人でもそうです。
SNSでも愛しているどころか信仰している人をよく見かけませんか?
野○洋次郎とか米津○師とかのツイートに対するリプ欄に「なんだこいつ。」ってファンいません?
あのカルト的な信仰だって本人からしたら愛です。
愛と宗教は紙一重。
監督の本意はわかりませんが、
僕はこの映画を見てそんな教訓を得れました。
けれど、
この映画ではそんなカルト的な愛の結末をハッピーエンドかのように映していますよね。
この映画に何の違和感をもたない人がいるのも事実。
最後の恐ろしいシーンだって、
彼らは洗脳されているんですから、教祖を葬っている火のお湯で熱い熱い愛を感じちゃっていてもハッピーエンドに映っているんですよ。
だからこの映画はカルト的な愛を否定しているわけではない。
ある種、愛の本質を表している気がしますね。
(しかしながら主題歌の愛のゆくえとこの映画の親和性が正直僕にはわかりませんでした。
この映画を純愛映画とミスリードさせるためとまで思ってしまいます。違うだろうけど。)
そういう意味ではこの映画は鑑賞者によっては泣ける愛の映画でもあり、
事前に愛の映画と思わせてから、違和感を映し出しつつ、最後に驚きのフィナーレで畳み掛けて強い影響を残すホラー映画でもある。
二つの解釈ができる。面白い映画。
色々な意見があると思いますが、僕はこんな感想でした。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
以上!
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今日の一曲
西野カナ「会いたくて」
カルト的な愛。